■■ 解説(3項) ■■(»全体表示)
(1)趣旨
職務発明が従業者以外の者(個人や他の使用者における従業者)との共同発明である場合に、共同発明者(従業者以外の者が多く関与していれば特定は容易でない)の同意(»第33条3項)を不要とするとともに、二重譲渡(»第34条1項)をできなくするためである。
【補足1】以前はあらかじめ使用者に特許を受ける権利を取得させることを定めると職務発明の完成と同時に発明者である従業者に特許を受ける権利が発生してから使用者による承継が生じたが、上記のような問題を解消するために、平成27年の法改正によって使用者に原始的に帰属(発生)することとなった。
【補足2】あらかじめ使用者が職務発明の完成後に特許を受ける権利を承継するか否かを選択できることを定めた場合は、本項の適用はない(承継する意思表示をした時点で承継が生じる)ので、職務発明が従業者以外の者との共同発明であれば、その者の同意が必要となり、特許出願前であれば、二重譲渡のおそれがある。