■■ 解説 ■■(»全体表示)
(1)趣旨
(1.1)「経済産業省令で定める技術的関係を有することにより発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するとき」
審査の一部が共通する発明に限るためである。
(2)解釈
(2.1)「経済産業省令で定める技術的関係を有することにより発明の単一性の要件を満たす一群の発明」
進歩性の有無の判断が共通する発明である(»特許法施行規則25条の8)。
【補足1】進歩性を有すると判断された発明Aがある場合に、Aと次の関係を有する発明については、同様に(追加的な先行技術調査をすることなく)進歩性を有すると判断できるので、発明の単一性の要件を満たす(»特許庁「特許・実用新案審査基準」第U部第3章)。 @Aと発明の特徴的部分(進歩性の根拠となるような部分)が同一である発明 AAを実施しなければ実施できない発明(Aを利用する発明(いわゆる利用発明)) BAがなければ必要とならない発明(例えば、Aが物の発明である場合に、その物を取り扱うための物や方法の発明)
【補足2】発明の単一性の要件を満たさないことは、特許出願の拒絶理由である(»第49条4号)が、特許の取消理由や無効理由ではない(»第113条、第123条1項)ので、特許出願をする前に発明の単一性の要件を満たすか否かを自ら厳密に判断する必要はなく、拒絶理由通知を受けた場合に発明の単一性の要件を満たさない発明について分割出願をすることによって拒絶理由を解消すれば足りる。なお、発明の単一性の要件を満たさない発明であっても、一括して効率的に審査できるものであれば、拒絶理由通知はされず、そのまま審査される(»特許庁「特許・実用新案審査基準」第U部第3章4.2)。