■■ はじめに ■■(»全体表示)
(1)概要
本条は、願書に添付した明細書や図面に欠落した記載がある場合の補完について規定したものである。
(2)趣旨
欠落した記載を補正によって補充できない場合(新規事項の追加となる場合)に新たに特許出願をし直すことになると苛酷だからである。
【補足】特許法条約によれば、明細書の一部や明細書に言及のある図面が欠落していると認められる場合は、出願人に通知をしなければならず(»特許法条約5条(5))、その後に欠落した明細書の一部や図面が提出されれば、それらの受理の日まで出願日は繰り下がる(ただし、優先権の主張を伴う場合であって欠落した明細書の一部や図面が優先権の主張の基礎とした出願に含まれている場合は、出願日の繰下げはない)(»特許法条約5条(6))ので、これを遵守するべく、平成27年の法改正によって(補正とは異なる新たな制度である)補完の機会を与えることとなった。