■■ 解説(2項ただし書 ■■»全体表示

(1)趣旨

(1.新たな特許出願が第9条の2に規定する他の特許出願又は実用新案法第3条の2に規定する特許出願に該当する場合におけるこれらの規定の適用

 分割出願をした発明については、もとの特許出願において拡大された後願排除効が生じる»9条の2)ので、分割出願においても同様の後願排除効を生じさせると、二重に利益を有することになるからである。

(1.0条第3項の規定の適用

 分割出願について新規性の喪失の例外の適用を受けようとする場合は、分割出願時にその旨を記載した書面を提出し、分割出願日から0日以内に証明書を提出しなければならない»0条3項)が、分割出願をもとの特許出願時にしたものとみなされると、それらの書面を提出できなくなるからである

 補足それらの書面をもとの特許出願において所定の期間内に提出している場合は、分割出願時に提出されたものとみなされる»本条4項)ので、あらためて提出する必要はない。なお、それらの書面をもとの特許出願において所定の期間内に提出していない場合は、分割出願において所定の期間内に提出しても新規性の喪失の例外の適用を受けることは(もとの特許出願における期間の徒過を回復できることになるので)できない。

(1.6条の2第2項ただし書条の3第2項の規定の適用の非除外

 分割出願を外国語書面出願によってする場合の翻訳文を提出できる期間の特例»6条の2第2項ただし書)や分割出願について審査を請求できる期間の特例»8条の3第2項)の期間の初日は「特許出願の分割・・・・の日」と規定されており特許出願の分割に係る新たな特許出願・・・・の日」と規定されていないので、除外しなくても現実の出願日のままだからである

 補足変更出願の場合も同様の理由で除外されていない»6条6項−第4条2項ただし書。実用新案登録に基づく特許出願の場合は「実用新案登録に基づく特許出願の日」と規定されており、除外しなければ実用新案登録出願日とみなされることになるので、除外されている»6条の2第2項ただし書