東京地裁(平成10年12月22日)“磁気カードリーダー事件”は、「当該機能ないし作用効果を果たし得る構成であればすべてその技術的範囲に含まれると解すると、明細書に開示されていない技術的思想に属する構成までもが考案の技術的範囲に含まれ得ることとなり、出願人が考案する範囲を超えて実用新案権による保護を与える結果となりかねないが、このような結果が生ずることは、実用新案権に基づく考案者の独占権は当該考案を公衆に対して開示することの代償として与えられることという実用新案法の理念に反することになる」、「ただし、このことは、考案の技術的範囲を明細書に記載された具体的な実施例に限定するものではなく、実施例として記載されていなくても、明細書に開示された考案に関する記述の内容から当該考案の属する技術の分野における通常の知識を有する者が実施し得る構成であれば、その技術的範囲に含まれるものと解すべきである」と述べている。 |