東京高裁(平成3年2月4日)“自動ボイルエビの成型装置事件本件考案の技術的課題(目的)は被告によって呈示されたものといえるが、これを解決するための手段は、当初に被告が極めて素朴な形で呈示したアイデアを基礎として、A(サイト注:被告から装置の開発を委託された者)がこれを具体化し産業上利用できるような構成として完成したものと見るのが相当である。したがって、被告は、Aが本件考案をするに当たって具体的着想を示すことなく、単に基本的な課題とアイデアのみを示し、専らAにおいてこれを技術的思想の創作として完成したものであって、創作過程においてAに意見を述べたことがあったとしても、単なる制作依頼者としての助言にとどまり、結局、本件考案は被告が単独で考案したものとは到底認め難く、Aと被告を共同の考案者ということもできない」と述べている。

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