東京高裁(平成1年6月5日)“蓄熱材の製造方法事件被控訴人(サイト注:特許権者)は、・・・・イ号物件と競合する『スミターマル』を組み込んだ潜熱蓄熱式電気床暖房システムである『スミターマルシステム』を販売し、全国各地で控訴人(サイト注:侵害者)の『ヒートバンクシステム(サイト注:イ号物件を組み込んだ潜熱蓄熱式電気床暖房システム)と競合して受注競争をしており、右スミターマルシステムは、控訴人の第2特許発明の侵害行為がなければ販売することができた物であること・・・・が認められる」、「控訴人は、被控訴人の主張する逸失利益は、第2特許発明の実施による利益の喪失ではなく、別発明の実施による利益の喪失であり、第2特許発明の侵害との相当因果関係は否定される旨主張する。しかし、スミターマルシステムがヒートバンクシステムと競合し、受注競争をしている以上、スミターマルが第2特許発明の実施品ではないとしても、そのことによって直ちにその販売機会の喪失が第2特許発明の侵害との相当因果関係がないということはできない」と述べている。

特許法の世界|判例集