最高裁(平成1年7月6日)“生理活性物質測定法事件方法の発明と物を生産する方法の発明とは、明文上判然と区別され、与えられる特許権の効力も明確に異なっているのであるから、方法の発明と物を生産する方法の発明とを同視することはできないし、方法の発明に関する特許権に物を生産する方法の発明に関する特許権と同様の効力を認めることもできない。そして、当該発明がいずれの発明に該当するかは、まず、願書に添付した明細書の特許請求の範囲の記載に基づいて判定すべきものである(特許法0条1項参照。これを本件について見るに、本件明細書の特許請求の範囲第1項には、カリクレイン生成阻害能の測定法が記載されているのであるから、本件発明が物を生産する方法の発明ではなく、方法の発明であることは明らかである。本件方法が上告人医薬品の製造工程に組み込まれているとしても、本件発明を物を生産する方法の発明ということはできないし、本件特許権に物を生産する方法の発明と同様の効力を認める根拠も見いだし難い」と述べている。

特許法の世界|判例集