大阪地裁(平成11年7月6日)“包装用トレー事件”は、「被告は、実用新案権者でもその専用実施権者でもない原告会社には、被告に対して損害賠償を求め得る資格はないと主張する。しかし、独占的通常実施権者の場合には、単純な通常実施権者と異なり、契約上とはいえ当該実用新案権を独占的に実施する利益を有しているのであるから、当該実用新案権侵害を行った者に対しては、右独占的実施の利益を侵害したものとして、不法行為に基づく損害賠償請求をなし得るものと解すべきであり、このことは、本件のように、実施許諾権限が原告会社に付与されていなかった場合でも同様であると解すべきである。したがって、原告会社は、被告に対し、損害賠償を請求する資格を有する」と述べている。 |