東京高裁(平成2年2月6日)“連結シート事件引用例発明には、・・・・本件発明において必須とされる不可欠な各構成要件がすべて開示されている。原告は、引用例発明が、本件発明にない・・・・構成要件を有するものであり、本件発明の構成要件をことごとく備えるからといって、単に前者が後者より技術的範囲が広く後者を包含することを示すにすぎないと主張する。しかしながら、本件発明における不可欠な各構成要件が、すべて引用例発明として開示されている以上、本件発明は、既に公知とされた引用例発明と同一であって、進歩性はもちろん、新規性を欠くことは明らかであり、このことは、引用例に係る出願の特許請求の範囲の記載において、更に具体的な限定が付加されていることによって左右されるものではないから、原告の主張は失当であって到底これを採用することはできない」と述べている。

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