東京高裁(平成3年2月7日)“情報表示システム事件原告は、ある事項がわずか1件の刊行物に記載されているというだけでそれを周知と認めることはできない、と主張する。しかしながら、ある技術が周知であるか否かは、単にその技術を記載した刊行物の数のみによって決まるものではなく、当該事項の属する技術分野、当該刊行物の性質、頒布時期等も考慮されるべきである。本件においては、周知とされた上記事項の属する技術分野を前提に、・・・・刊行物が本件出願日(平成2年5月6日)の約8年前であるに昭和7年に頒布された特許文献であることを考慮すれば、本件出願日当時、同事項は周知であった、と認めることができるものというべきである」と述べている。

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