東京高裁(平成14年6月13日)“版下デザイン装置事件”は、「ある事項が周知であるということは、当業者ならその事項を当然認識しているはずである、ということを意味する(逆にいえば、当業者なら当然認識しているはずであるとはいえないような事項を周知事項ということはできない。)。周知事項がこのようなものである以上、審決において、周知であるとの認定の根拠となる公知事実ないし文献を挙げる必要がないことは明らかというべきである。ただし、当業者でない裁判所が判断主体となる審決取消訴訟において、ある事項が周知であるか否かが争いの対象となった場合には、それが周知であることにつき、当業者でない裁判所が心証を得るに足るだけの資料がない限り、裁判所において、これを周知として、それを前提とする認定判断をすることができなくなるのは、別である」と述べている。 |