東京高裁(平成5年0月4日)“永久磁石直流モータ事件@刊行物1に記載された発明、刊行物2に記載された発明及び刊行物3に記載された発明は、いずれも、モータの冷却ファンの構成及び取付手段に関する技術分野に属しており、すなわち、当業者が、同一技術分野の共通の知識として認識されている、A刊行物1に記載された発明の課題として、最も高温となる整流器全体を効率良く冷却するという技術課題を備えており、刊行物2に記載された発明、刊行物3に記載された発明も、当業者が、モータの冷却ファンを設計する場合、モータがいかなるものであってもその冷却機能を考慮し、取付手段を工夫する当然の課題を備えていて、課題の共通性があるといえるから、当業者が刊行物1記載の発明、刊行物2記載の発明及び刊行物3記載の発明を組み合わせることの動機づけを認めることができる」、「そうすると、当業者が刊行物1記載の発明のうち、ファンを固定する手段として拡大頭部を有する回転子3間の溝部に刊行物2記載の発明の溝嵌合具を用いて固定すること、刊行物2記載の溝嵌合具に相当する脚片7を有する刊行物3記載のファンを採用することは容易に推考することができ、しかも、訂正発明1の技術課題である最も高温となる整流器全体を効率良く冷却するという点については、刊行物1の発明に開示されており、当業者がこれらの発明を組み合わせて訂正発明1を想到することは容易に行えることであって、これと同旨の審決の認定判断に誤りはない」と述べている。

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