東京地裁(平成15年4月14日)“核酸増幅反応モニター装置事件”は、「『光学系』とは、一般的に、『望遠、拡大、分光などの目的で、レンズ、反射鏡などを組み合わせた機器系』(『広辞苑』第5版)を意味する。本件明細書中には、『光学系』の語に関して、一般的な意味と異なる特別の意味に理解すべきことを示唆する記載はない・・・・。そうであるとすると、構成要件C、Dの『光学系』は、上記の一般的な意味である『望遠、拡大、分光などの目的で、レンズ、反射鏡などを組み合わせた機器系』を意味し、CCDを備えた検出器を含む他、光学的な連携手段として光ファイバーを備えていないものも含むことになる」、「これに対して、被告は、本件明細書には、光ファイバーを使用した光学系しか開示されていないから、本件発明における『光学系』は光ファイバーを使用した光学系に限定して解釈すべきであると主張する。しかし、証拠・・・・及び弁論の全趣旨によれば、本件特許の優先権主張日前に、光ファイバーを使用せず、CCDを備えた光学系が当業者に広く知られていた事実が認められ、本件明細書には『表面または容器が加熱および冷却可能な分光螢光測定装置においては、光ファイバは不要である。光ファイバは、サーモサイクラと分光螢光測定装置とが独立して装置される場合に必要となる。』・・・・と記載されていることに照らすならば、当業者は、本件発明のおける『光学系』について、光ファイバーを使用しないものを含む趣旨であることを容易に理解できたものと認められるから、構成要件C、Dにおける『光学系』を、光ファイバーを使用した光学系に限定して解釈すべき理由はない。したがって、被告の上記主張は採用できない」と述べている。 |