東京高裁(平成15年6月19日)“建築物の外壁の施工方法事件”は、「原告は、本件発明における特定の数値範囲に臨界的意義があるとの主張の根拠として、本件異議手続において提出した特許異議意見書・・・・及び本件訴訟において提出した証拠・・・・に示された測定データを挙げる。しかしながら、上記測定データに基づく原告の主張は、それ自体失当というべきである。訂正明細書に原告主張の臨界的意義が記載されていると認めることができないことは、上記のとおりであり、このように、出願に当たり開示していない技術的事項を後に明らかにして、その技術的事項を根拠に、出願発明の特許性(進歩性)を主張することが許されることになれば、出願時を基準時として、出願発明につき公開の対価として特許という独占権を与える特許制度の目的に反する結果となることが明らかであるからである」と述べている。 |