東京高裁(平成5年65日)“ミシンの上送り装置事件実用新案登録請求の範囲に記載された用語や語句の技術的意義を明細書の考案の詳細な説明の記載を参酌して解釈することが許される場合はあるが、本件において、構成要件Eの『送り調整軸の一部に係合し』の『係合』を、考案の詳細な説明の実施例に係る『前記送り調整軸の一部に長孔と係合ピンによる周知の係合構造(揺動運動を回転運動に変換できる形態での係合構造)による係合』の係合形態に限定して解釈することは、実用新案登録請求の範囲に単に『係合』とのみ記載されていることを無視し、そこに記載されていない要件を付加することになるから『係合』の解釈として明細書の考案の詳細な説明を参酌し得る限度を逸脱しており、このような参酌が許されるべき理由を見いだすことはできない」と述べている。

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