東京地裁(平成6年20日)“自動弾丸供給機構付玩具銃事件原告は、原告の被告らに対する補償金請求権が時効消滅している場合であっても、被告らは、警告書到達の日から平成8年9月8日までの間に、実施料相当額の金員を不当に利得したものであるとして、予備的に不当利得の返還を請求している。しかしながら、・・・・特許権の設定登録前は対象となる権利が存在しない以上権利侵害はあり得ず、また発明の実施を独占することによる利得も観念し得ないのである・・・・。そうであれば、特許権の設定登録前に第三者が出願された発明を実施して利得を得た場合であっても、出願人にはそれに対応する損失がないと解されるのであるから、不当利得は成立しないというべきである。したがって、原告の請求は理由がない」と述べている。

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