知財高裁(平成7年0月1日)“水溶性ポリペプタイドのマイクロカプセル化事件本件特許発明は、・・・酢酸ブセレリンを有効成分とするマイクロカプセルとして調整された医薬組成物に関するものである。そこで平成0年2月5日に本件処分(第2処分)がされたがその対象となった物は『販売名 スプレキュア MP1.8(酢酸ブセレリン徐放性製剤』であるところ活性成分である酢酸ブセレリンを製剤化した品目であって処分における『有効成分』は酢酸ブセレリンであって処分の対象となった『物』は酢酸ブセレリンでありまたその『用途』は子宮内膜症と子宮筋腫の縮小及び子宮筋腫に基づく過多月経下腹痛腰痛貧血の諸症状の改善であった。一方酢酸ブセレリン製剤のスプレキュアにつき点鼻液の剤型で昭和3年6月8日に子宮内膜症に対するものとして承認され平成4年3月7日に子宮筋腫につき適応症追加承認となった」、「以上の事実関係によれば確かに酢酸ブセレリンを有効成分とするマイクロカプセルとして調整された医薬組成物という本件出願に係る特許発明の実施をすることができなかったとはいい得る。しかしながら昭和3年6月8日には酢酸ブセレリンを物(有効成分)とし子宮内膜症及び子宮筋腫(後者については平成4年3月7日に追加承認)に対する用途(効能・効果)によって薬事法上の承認がされていたのであるから本件特許発明の実施のために『物(有効成分)と用途(効能・効果)という観点から(第2の)本件処分を受けることが必要であった』ということができない。薬事法上の(第2の)処分が改めて必要であった理由は物(有効成分)と用途(効能・効果)というレベルではなく剤型を異にするからであるにすぎない。よって本件出願が法7条の3(サイト注:現7条の7)第1項1号に該当するので拒絶すべきものであるとした審決の判断は是認し得るものである」と述べている。

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