知財高裁(平成17年10月13日)“デジタルオーディオ用帯域制限アナログフィルタ事件”は、「原告は、乙7はディスクの記憶装置、乙8はパルス幅変調型パワーアンプの復調フィルタ、乙9は重量計測装置に関するものであって、いずれも本願発明1の技術分野であるデジタルオーディオ用の帯域制限アナログフィルタに関するものではないから、周知例としての適格性を欠く旨主張する。しかし、乙7ないし9の各公報は、いずれもアナログ信号処理回路における高周波ノイズの除去に関するものであり、処理対象の信号の種類に異なるものが含まれるとしても、引用発明2とアナログ信号処理回路という技術分野を共通とし、高周波ノイズの除去という共通の技術課題を解決しようというものであるから、周知例としての適格性を有するものと認められる。したがって、原告の上記主張は採用することができない」と述べている。 |