知財高裁(平成17年10月26日)“低周波治療器事件”は、「控訴人は、タクト医療が、平成7年から被控訴人と卸取引を継続しており、また、被控訴人製品1を小売希望価格より大幅に安い仕入価格で購入しているように、被控訴人とタクト医療とは、密接な関係を有していたから、タクト医療は、黙示の守秘義務を負う旨主張する。証拠・・・・によれば、被控訴人がタクト医療との間で平成7年以降取引をしているが、いわゆる継続的供給関係があるわけではなく、タクト医療から個別に被控訴人の製品の購入申し込みがある度に、被控訴人が卸販売を行っていたことが認められるところ、この程度の取引関係があるからといって、そのことから直ちにタクト医療が商慣習上の黙示の守秘義務を負うということはできない。また、証拠・・・・によれば、被控訴人製品1のメーカー希望小売価格は7万8000円であるところ、仮に、タクト医療がこれから相当程度の値引きを受けて被控訴人製品1を購入したとしても、卸売価格は市場の状況等の商取引上の様々な事情に応じて適宜決定されるものにすぎないから、上記値引の事実があったとしても、そのことから直ちにタクト医療が商慣習上の黙示の守秘義務を負うということもできない。したがって、控訴人の上記主張も採用できない」と述べている。 |