知財高裁(平成17年12月26日)“フラッシュEEPROMセルのプログラム方法事件”は、「原告は、本願発明が、ページ単位でプレライト、消去、プログラムを実行することが1つの目的の下に有機的に一体化しているものであるのに、審決が、相違点を2つに分けた上で、いずれも周知の技術事項を組み合せたにすぎないとして本願発明の進歩性を否定していることは、相違点判断の手法を誤ったもので、違法である旨主張する。そこで、検討すると、発明が特許として保護を受けられるためには、新規性及び進歩性を具備することを要するのであり、特許を受けようとする発明を特定すべき事項は、そのすべてが特許請求の範囲に記載されているはずであって、特許請求の範囲は、一般に、発明を特定すべき複数の事項(構成要素)の組合せから成り立っているのであるから、進歩性の有無を判断するに当たっては、同一又は近接する技術分野における従来技術中に、当該発明の構成要素に係る技術が存在するかどうかを検討し、当該発明の構成要素が複数の技術として存在する場合には、当業者が、上記複数の技術を組み合わせて当該発明の構成に容易に想到し得るかどうかを検討するのが、審判、特許異議申立てや審決・取消決定取消訴訟事件において行われる通常の判断手法であり、かつ、合理性の認められるところである。本件において、審決が、上記手法によって本願発明の進歩性を検討し、・・・・結論を導いていることは、その説示自体から明らかであり、これを不合理であるとする格別の事情を見いだすこともできない。原告の主張は、独自の見解に基づくものであって、採用の限りでない」と述べている。 |