東京地裁(平成7年0日)“分岐鎖アミノ酸含有医薬用顆粒製剤事件特許法9条にいう発明の実施である『事業の準備』とは・・・その発明につきいまだ事業の実施の段階には至らないものの即時実施の意図を有しておりかつその即時実施の意図が客観的に認識される態様程度において表明されていることを意味するものと解するのが相当である(最高裁昭和1年・・・0月3日・・・判決・・・参照。そして特定の発明を用いたある事業について即時実施の意図を有しているというためには少なくとも当該事業の内容が確定していることを要するものであって当該事業に用いる発明の内容が確定しているだけでは不十分というべきである」、「事業として医薬品の製造を行うためには、溶出試験、安定性試験、生物学的同等性試験を行い、厚生労働省の製造承認等を得る必要があるものであるところ、特許法9条にいう発明の実施である『事業の準備』をしているというためには、必ずしもこれらの過程のすべてを了していることを要するものではないが、少なくとも、これらの試験や製造承認の対象となる医薬品の内容が一義的に確定している必要があるというべきである」、本件第1特許発明の特許出願時においては原告においては製剤の内容が未だ一義的に確定していたとはいえないから本件第1特許発明の特許出願の際現に日本国内においてその発明の実施である事業の準備をしていた者(特許法9条)には該当しない」と述べている。

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