東京地裁(平成17年3月10日)“土木工事用レーザ測定器事件”は、「原告Aは、被告に対し、第1回打合せの平成9年12月5日に被告の製品である『TP−L3』の改良要望を伝えた後、平成10年2月10日における2回目の被告との打合せ時に、被告から、セパレートタイプの製品開発の進行状況の報告を受け、『来シーズン試作品作成し現場で試してもらうよう準備中』であること等を聞いたにもかかわらず・・・・、被告と秘密保持契約の締結を要求するなどの行動を全くとっていない。特許法30条2項(サイト注:現1項)の規定は、新規性ないし進歩性を喪失していることにより本来特許されない発明について、例外を認めるものであるから、発明者の救済措置として必要やむを得ない範囲に限定して解すべきところ、共同発明者の一部や発明協力者が発明を公表したような場合には、共同発明者間、あるいは発明協力者との間で、秘密保持契約を締結するなど、発明の公表を制約する合意が存在しない限り、同項に該当するものということはできない。本件においては、原告Aと被告との間で、秘密保持契約等の発明の公表を制約する合意が存在したことが認められないから、本件展示会における展示が、同項に該当するということはできない」と述べている。 |