知財高裁(平成7年月2日)“環状オレフィン系共重合体から成る延伸成形容器事件環状オレフィン系共重合体の延伸成形容器における指紋付着による白濁の発生という課題が、本件特許出願当時、新規の課題であったと認められる以上、当該新規の課題及び効果との関係において本件石油混合物を用いた塗布試験時のヘーズ値の数値範囲を最適化したものである構成要件bにつき、他に特段の事情のない本件において、当業者(その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者)が、これを容易に想到し得たものとは認められないというべきである」、「仮に、被告の・・・・主張のとおり、引用発明に刊行物4発明を適用して『容器の外表面における分子配向が緩和された環状オレフィン系共重合体から成る延伸成形容器』を得ることが、当業者にとって容易であったといい得るとしても、指紋付着による白濁の発生という課題が新規の課題である以上当該新規の課題との関係において本件石油混合物を用いた塗布試験時のヘーズ値の数値範囲を最適化したものである構成要件bを備えるよう分子配向の緩和の程度を加減する動機付けが存在しないというほかはない」と述べている。

特許法の世界|判例集