知財高裁(平成17年6月22日)“ジアミン化合物事件”は、「原告らは、共同しての権利行使が必須要件とされている場合には、たとえ審判請求書の請求人欄に1人の名称等のみしか記載されていなかったとしても、真実は、共有者の共同の意思に基づくものであり、他の者の名称等が欠落しているのは誤記によるものと推認するのが経験則に合致すると主張する。しかし、・・・・特許法は、共同して審判を請求すべき場合に、それぞれが審判を請求する意思のあることを、請求書に表示する要式行為によって明示することを求めているのであり、単に共同して審判請求がされるべきであるとか、共有者の内心において審判請求の意思があるというだけでは足りず、審判請求の意思が請求書等において表示されていると認められることが必要なのであるから、原告らの上記主張は失当である」、「本件審判請求は、特許を受ける権利の共有者の1人である原告チッソ石油化学を請求人とすることなく、原告チッソが単独でしたものであるから、特許法132条3項の『共有者の全員が共同して請求しなければならない』との要件を欠き、不適法な請求というべきである」、「本件審判請求の上記瑕疵は補正の対象となるものではなく、本件審判請求は、不適法であって、その補正をすることができないものであるから、これを却下した審決の判断に誤りはない」と述べている。 |