大阪地裁(平成7年6日)“育毛剤事件本件特許は、平成4年8月1日の出願にかかるものであるから、本件特許権の権利存続期間満了日は、平成4年8月1日である。この点につき、原告らは、本件特許権は、特許法7条2項、薬事法4条1項により存続期間が2年程度延長することが可能であるから、これによる独占期間の終期は平成6年であると主張する。しかしながら、特許法7条2項により延長登録の出願が許される場合として政令で定められた処分は、特許法施行令3条により、農薬又は医薬品についての処分に限られ、育毛剤などの医薬部外品についての処分はこれに含まれないから、本件特許権についての延長登録の出願はそもそも許されるものではない。また、仮に、医薬部外品について延長登録出願が可能だとしても、延長が許される期間は『特許発明の実施をすることができなかった期間』に限られるところ・・・・、本件特許権の上記期間の始期は登録日である平成9年4月5日であり、これに対して、被告が6−BAPを用いた育毛剤の医薬部外品としての製造承認を得たのは平成7年2月1日付けであり、平成8年には、被告はK1サイトプラインをK1にOEM供給しているのであるから、結局『特許発明の実施をすることができなかった期間』は存在しないこととなり、本件特許権についての延長登録は許されない。したがって、原告らの上記主張は理由がない」と述べている。

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