東京地裁(平成8年6日)“写真用支持体事件第9発明の出願に対しては、特許庁から、平成3年6月1日、特許法9条2項及び特願平4−178176号公報を引用例として同法9条の2により特許を受けることができない旨の拒絶理由通知が発せられた・・・・。被告は、特許法9条の2の拒絶理由を回避するために、特許請求の範囲に『ポリアルキレングリコールを3〜0重量%含有』することの要件を付加する補正を行い・・・・、意見書・・・・を提出することにより、拒絶理由を回避し、第9特許発明として登録に至ったものである」、「以上からすると、第9特許発明の特許発明の請求項1の構成中『ポリアルキレングリコールを3〜0重量%含有する』との補正によって付加された構成がなければ、特許登録に至らなかったものといえるから、C、Bらの検討によって得られていた上記数値が第9特許発明の本質的部分であるといえる。そして、この点について、原告が関与したことを認めるに足りる証拠はない」、「したがって、原告を第9発明の発明者と認めることはできない」と述べている。

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