東京地裁(平成8年0月1日)“地震時ロック方法事件特許請求の範囲に記載された発明の構成が機能的、抽象的な表現で記載されている場合において、当該機能ないし作用効果を果たし得る構成であればすべてその技術的範囲に含まれると解すると、明細書に開示されていない技術思想に属する構成まで発明の技術的範囲に含まれ得ることになり、出願人が発明した範囲を超えて特許権による保護を与える結果となりかねないが、このような結果が生ずることは、特許権に基づく発明者の独占権は当該発明を公衆に対して開示することの代償として与えられるという特許法の理念に反することとなる。したがって、特許請求の範囲が上記のような表現で記載されている場合には、その記載のみによって発明の技術的範囲を明らかにすることはできず、上記記載に加えて明細書の発明の詳細な説明及び図面の記載を参酌し、そこに開示された具体的な構成に示されている技術思想に基づいて当該発明の技術的範囲を確定すべきである。具体的には、明細書及び図面に開示された構成及びそれらの記載から当業者が実施し得る構成が当該発明の技術的範囲に含まれると解するのが相当である」と述べている。

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