東京地裁(平成18年3月9日)“燃料噴射弁事件”は、「発明者たり得る者、つまり、技術思想の創作に貢献した者とは、新しい着想をした者あるいは同着想を具体化した者の少なくともいずれかに該当する者でなければならない。すなわち、新しい着想をした者は、原則として発明者であるものの、この着想とは、課題とその解決手段ないし方法が具体的に認識され、技術に関する思想として概念化されたものである必要があり、単なる思いつき以上のものでなければならない。また、新しい着想を具体化した者は、その実験やデータの評価などの具体化が当業者にとって自明程度のことに属しない限り、共同発明者たり得る。換言すれば、新しい着想を具体化することが、当業者にとってみれば自明のことである場合は、着想者のみが発明者と認められ、これを単に具体化した者は発明者たり得ない(この場合は、・・・・単なる補助者にあたるというべきである。)」と述べている。 |