東京地裁(平成18年6月8日)“半導体不揮発性記憶装置の書き込み及び消去方法事件”は、「被告は、総合家電メーカーとして日本国内のみならず海外においても著名な企業である。原告は、工業高校電子科卒業後、被告に入社当時から、被告の半導体事業部門に所属して、不揮発性半導体メモリの設計などにも従事していた。被告は、原告に対し、若手技術者を対象とする技術講座に出席させると共に、所属課の上司が、半導体設計技術の基礎から、実験なども通じて、設計・開発に必要な技能について実地訓練・教育を行った。原告は、本件第1、第2特許発明を発明した当時、不揮発性半導体メモリの設計・開発を担当する被告の北伊丹製作所集積回路第三製造部設計第二課に所属しており、職務上、不揮発性半導体に関する特許発明を行うことが期待されていた。原告は、当初、いわゆるEPROM(書き込みは電気的に行うが、消去は紫外線照射により行うメモリ。)の開発を担当していたが、同課において、EPROM及びEEPROM(消去についても電気的に行うメモリ)の特許出願増強を図るプロジェクトに参加した際に、本件第1特許発明をした。また、同課においては、様々な不揮発性記憶装置に関する研究が行われていた」、「本件における上記諸事情及びその他一切の事情を考慮すると、本件第1特許発明に関する被告の貢献度は95%と認めるのが相当である」と述べている。 |