知財高裁(平成18年9月25日)“椅子式エアーマッサージ機事件”は、「本件発明5の本質的な特徴は、座部用袋体及び脚用袋体の膨脹のタイミングを工夫することによるストレッチ又はマッサージ効果にあるところ、本件では、@本件発明5の機能は、控訴人(サイト注:侵害者)各製品の一部の動作モードを選択した場合に初めて発現するものであること、A本件発明5に係る作用効果は、椅子式マッサージの作用としては付随的であり、その効果も限られたものであること、B控訴人製品のパンフレットや被控訴人(サイト注:特許権者)製品のパンフレットにおいても、本件発明5に係る作用は、ほとんど紹介されていないこと、C本件特許5の設定登録当時、被控訴人の市場占有率は数%にすぎず、椅子式マッサージ機の市場には有力な競業者が存在したこと、D控訴人製品はもみ玉によるマッサージとエアバッグによるマッサージを併用する機能や、光センサーによりツボを自動検索する機能など、本件発明5とは異なる特徴的な機能を備えており、これらの機能を重視して消費者は控訴人製品を選択したと考えられること、E被控訴人製品はエアーバッグによるマッサージ方式であり、その市場競争力は必ずしも強いものではなく、被控訴人の製品販売力も限定的であったなどの事情が認められる。これらの事情を総合考慮すれば、控訴人各製品の譲渡数量のうち、被控訴人が販売することができなかったと認められる数量を控除した数量は、いずれの控訴人製品についても、・・・・譲渡数量の1%と認めるのが相当である」と述べている。 |