知財高裁(平成19年10月11日)“洗剤界面活性剤組成物事件”は、「特許請求の範囲の記載が、明細書のサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである」、「本願発明の詳細な説明には、当業者(その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者)が本願発明1の組成物が発明の課題である低水温洗浄性及び生分解性を解決できるものであると認識できるに足る記載(旧36条4項参照)を欠いているといわざるを得ない。そうすると、本願発明1の特許請求の範囲の記載を引用して成る本願発明2ないし4及びこれらを更に引用して成る本願発明5ないし9についても、本願発明1と同様に解すべきことになる。したがって、本願発明に係る本願明細書の特許請求の範囲の記載は、旧36条6項1号の規定に違反するというべきであるから,これと同旨の審決の判断に誤りはない」と述べている。 |