東京地裁(平成9年27日)“RA又はSLE発症マウス事件「本件全証拠によっても、・・・・原告(サイト注:順天堂大学医学部病理学第二講座の助教授)が、被告乙Bに対し、本件マウス@ないしBの作製について、・・・・具体的な着想を提供した事実又は親となるべきマウスの種類を具体的に特定して交配方針や所要の実験を指示した事実は認められない」、「原告が上記各マウスに係る・・・・技術的思想の創作行為に関して行っていたのは、本件講座の管理者として、あるいは構成員を一般に指導して研究者としての成長を促す教育者として、一般的又は包括的な管理行為にとどまっていたのであり、それを超えて、具体的な指示を下し、上記創作行為に現実に加担したものとみるべき事情は、・・・・存しない」、「他方、被告乙Bは、・・・・本件各マウスの組合せで多数の交配F1マウスを作製した結果、いずれも雄マウスである本件マウス@ないしBがRA及びSLEを発症することを発見し・・・・たものである。そうすると、同被告が本件マウス@ないしBに係る・・・・技術的思想の創作行為を現実に行ったもので、同各マウスについての研究成果を最初に得、かつ同各マウスの作製に係る発明についての真の発明者であるというべきである」、「以上のとおり、原告は、本件マウス@ないしBについての研究成果を最初に得たとはいえないし、同マウスの作製に係る発明の真の発明者ともいうことができない」と述べている。

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