東京地裁(平成19年3月23日)“溶融金属供給用装置事件”は、「乙3の3図面は、被告から取鍋の製造を受注している日本坩堝が作成して被告に提出した設計図である。かかる図面が取鍋の使用先のトヨタ自動車に提出されたとしても、さらに不特定の第三者に交付されることを予定する図面ではなく、トヨタ自動車の工場において使用される取鍋に関わる関係者の範囲内においてのみ開示される文書であることは客観的にみて明らかである。このような図面については、取引担当者間においては、信義則上、当然に守秘義務が生じるものと解すべきであるから、乙3の3図面が『公然知られた』ものであると認めることはできない」と述べている。 |