東京地裁(平成9年44日)“レンズ付きフィルムユニット事件特許権者は、特許法102条各項に基づくいずれかの損害のうち、自己に有利なものを選択的に請求することが可能であると解すべきである。このような解釈は、同条2項による利益の額が極めて僅少な金額となる場合もあること、及び、利益の額も、実施料相当額も、いずれもその認定は裁判所の判断に最終的に委ねられるものであり、特許権者が裁判所の最終的な判断を正確に予測し得るわけではないこと、特許権侵害が認定された場合は、損害を被った特許権者を合理的に保護すべきであることを考慮すれば、是認されるべきである」、被告大東貿易が支払うべき損害額は、特許法102条2項に基づく損害額が1940万5220円であり、同条3項に基づく損害額が4034万6250円であるから、被告大東貿易については同条3項に基づく予備的主張に係る損害額を認めることになる。一方、被告ハマ・コーポレーションが支払うべき損害額は、特許法102条2項に基づく損害額が106万5851円であり、同条3項に基づく損害額が4万3630円であるから、被告ハマ・コーポレーションについては、同条2項に基づく主位的主張に係る損害額を認めることになる」と述べている。

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