東京地裁(平成20年1月29日)“音響及び香りを有する表示体事件”は、「証拠・・・・並びに弁論の全趣旨によれば、昭和63年5月当時、原告が被告の関連グループ会社であるハーテックの従業員として被告の研究開発室に所属し、室長のもと21名で構成される研究開発室の室員であったこと、その当時、研究開発室専従員の業務として『アイデア提案』を含めた9項目、それ以外の室員の業務として『アイデア提案、収集』を含めた6項目が掲げられていたことがそれぞれ認められる」、「本件提案書の提出の当時、原告がハーテックの従業員の身分のまま、被告の研究開発室に所属する室員として、上記の・・・・アイデア提案等の職務にも従事していたと認めるのが相当である」、「上に認定したところによれば、原告とハーテックとの間の雇用契約上の関係にかかわらず、原告と被告との間に、特許法35条の適用の前提となる使用者と従業者の関係があり、本件各発明の基となったアイデアの提案は、被告との関係で原告の職務に属するものであったということができるから、本件各発明については、職務発明ととらえることが適切である・・・・。本件各発明が職務発明ではなく自由発明であるとの原告の主張は、採用することができない」と述べている。 |