東京地裁(平成20年12月16日)“光ディスク装置事件”は、「原告は、半導体レーザに非点隔差が存在すること、非点隔差の大きさが半導体レーザの種類によって異なること、非点収差により光ディスク等の使用上の問題が生じることを予測し、その問題を解決する必要があるとの着想を有しており、Bに対し、半導体レーザにおける非点隔差の存在の確認及び分析とその使用上の問題の解決という研究テーマを与えたものであり、上記着想を有していなければ、半導体レーザの非点収差の解決手段を見出すことはできなかった、と主張する。しかしながら、本件発明における技術的課題の具体的な解決手段は、・・・・開口数NAが、半導体レーザの非点隔差ΔZ及び波長λとの間で本件条件式に規定される関係を有するレンズを挿入することにより、半導体レーザの非点収差を補正する、という点にある。原告が、半導体レーザの非点収差の存在により生じる光ディスク等の使用上の問題を解決する必要があるとの着想を有し、Bに対し上述のような研究テーマを与えたとしても、抽象的な技術的課題を設定したにとどまり、半導体レーザの非点収差を補正するための具体的な解決手段の着想に関与したということはできない。原告の上記主張は、採用することができない」と述べている。 |