知財高裁(平成0年1日)“料理飲食物の給仕方法事件原告は、引用例1記載の発明の鑑賞のための装置と引用例2記載の装置とは技術分野が異なり、これらを組み合わせる動機付けがないと主張する。確かに、引用例1記載の発明である『食品搬送装置』と引用例2に記載された『ショーウィンドー等の陳列装置』とでは、それ自体としては同一技術分野に属するとまでいうことはできないが、・・・・引用例2から適用するのは『陳列物を載置する載置小体を環状に走行させる技術』であるところ、このような載置物を載置して環状に走行させるような技術は『ショーウィンドー等の陳列装置』に限らず、様々な技術分野において用いられるいわば汎用的な技術であるから、引用例1記載の発明に係る当業者が『周回する展示品』を展示するための装置を設計するに当たって、載置物を載置して環状に走行させる各種の技術を参照することは、十分な動機付けがあるというべきである。したがって、相違点1につき『引用発明は『鑑賞魚をながめつゝ一時の風趣を覚えながら、飲食を楽しむことができる』よう、中央部に鑑賞魚水槽を設けたものである。そして、美術品等を含む展示品も観賞する対象物として周知のものであることから、飲食をしながらながめる展示物として『鑑賞魚』に代えて『展示品』とすることは当業者であれば適宜なし得る。そして『陳列物を、揺動する載置小体に載置し走行させる装置』が引用例2に記載されていることから、展示品を陳列する目的で該装置を引用発明に適用し、本願発明の発明特定事項のようにすることは容易に想到し得えたことである』とした審決の判断に誤りはなく、原告の上記主張を採用することはできない」と述べている。

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