知財高裁(平成1年31日)“印鑑基材事件特許法102条1項は、特許権の侵害製品の販売等により特許権者又は専用実施権者による特許製品の販売数量等が減少した場合、民法709条に基づき逸失利益の賠償を請求するにおいて、侵害行為と因果関係のある販売数量の減少の範囲を訴訟において立証することが困難であることから、特許権者又は専用実施権者の保護を図るため、侵害者の譲渡数量に権利者の製品の単位数量当たりの利益額を乗じた額を、実施能力に応じた額の限度において損害額とし、ただし、譲渡数量の全部又は一部に相当する数量を権利者が販売することができないとする事情があるときは、侵害者がその旨を立証することにより、その事情に応じた額を控除するとする規定である。そして、独占的通常実施権者は、当該特許権を独占的に実施して市場から利益を上げることができる点においては専用実施権者と実質的に異なるところはなく、同項の趣旨は、独占的通常実施権者にも妥当するから、独占的通常実施権者が侵害者の実施行為によって受けた損害についても、同項を類推適用することができる」と述べている。

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