知財高裁(平成1年55日)“旅行業向け会計処理装置事件請求項1に係る発明は、旅行業向け会計処理装置の発明であり、経理ファイル上に『売上』と『仕入』とが『前受金』、『未収金』、『前払金』、『未払金』と共に、一旅行商品単位で同日付けで計上されるようにしたことを特徴とする。その構成は、電子ファイルである経理ファイル、第1の計上要求操作『売上』及び『仕入』の同日付計上を要求)と第2の計上要求操作『入金』又は『支払』の計上を要求)があったことをそれぞれ判別する操作種別判定手段、操作種別判定手段により第1の計上要求操作ありと判定されたときに実施される第1の計上処理手段、操作種別判定手段により第2の計上要求操作ありと判定されたときに実施される第2の計上処理手段を有し、第1の計上処理手段は、前受金判定手段、売上計上処理手段、前払金判定手段、仕入計上処理手段を含み、第2の計上処理手段は、売上仕入済み判定手段、売上仕入前計上処理手段、売上仕入後計上処理手段を含み、さらに、売上仕入前計上処理手段は、操作種別判定手段、前受前払金の計上処理手段を含み、売上仕入後計上処理手段は、操作種別判定手段、未収未払金の計上処理手段を含むものである。そして、上記各手段は、コンピュータプログラムがコンピュータに読み込まれ、コンピュータがコンピュータプログラムに従って作動することにより実現されるものと解され、それぞれの手段について、その手段によって行われる会計上の情報の判定や計上処理が具体的に特定され、上記各手段の組み合わせによって、経理ファイル上に『売上』と『仕入』とが『前受金』、『未収金』、『前払金』、『未払金』と共に、一旅行商品単位で同日付けで計上されるようにするための会計処理装置の動作方法及びその順序等が具体的に示されている。そうすると、請求項1に係る発明は、コンピュータプログラムによって、上記会計上の具体的な情報処理を実現する発明であるから、自然法則を利用した技術的思想の創作に当たると認められる」と述べている。

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