知財高裁(平成21年6月25日)“簡易レタリングテープ作製機事件”は、「一審被告は、要旨『特許に無効事由が存在することが明らかであるときは、その特許権に基づく差止め、損害賠償等の請求は、特段の事情がない限り、権利の濫用に当たり許されない』とした最高裁平成12年4月11日・・・・判決・・・・及び平成17年4月1日から施行(本件には適用がない)された特許法104条の3第1項が『特許権又は専用実施権の侵害に係る訴訟において、当該特許が特許無効審判により無効にされるべきものと認められるときは、特許権者又は専用実施権者は、相手方に対しその権利を行使することができない』と定めていること等を根拠に、職務発明報酬対価請求は特許権に無効事由があるときは許されない等と主張するが、上記判例及び法条は、その表現からして明らかなように、特許権者が第三者に対して差止め又は損害賠償請求権を行使する場面に適用があるのであって、本件のような職務発明報酬支払請求権を行使する場面に適用があるものではないから、一審被告の上記主張は失当である」と述べている。 |