知財高裁(平成21年8月25日)“切削方法事件”は、「控訴人は、引用発明1に引用発明2の切削方法を適用することの動機付けがないと主張する。しかしながら、・・・・引用発明1と引用発明2は、いずれも技術分野が同一であるだけでなく、両者は切削時間の短縮という目的においても共通している。加えて、引用発明1と引用発明2は、2枚のブレードによって切削位置を2本ずつ切削することができるといった作用の点でも共通しているということができるから、引用発明2を知り得た当業者にとって、引用発明1に引用発明2を組み合わせようと試みることは自然なことである。そして、引用発明2のような円形の半導体ウェーハの端部と中心部とを同時に切削する場合に切削ストロークに無駄が生じること、それに対し、引用発明1のような矩形の被加工物であれば、円形のものと比較して各ストロークに無駄が生じないことは技術的に自明な事項であって、当業者が容易に理解できる事項である。そうすると、切削時間の短縮という目的のために、矩形の被加工物をその対象とした引用発明1に引用発明2を適用する動機付けが存在するということができ、控訴人の主張は、理由がない」と述べている。 |