知財高裁(平成22年11月10日)“洗浄剤組成物事件”は、「一般的に、金属イオン封鎖剤を含む洗浄剤組成物を硬表面の洗浄のための有効成分として用いることとし、その際に引用発明1に引用発明2を組み合わせて引用発明1の金属イオン封鎖剤に水酸化ナトリウムを加えることまでは当業者にとって容易に想到し得るとしても、引用発明1の金属イオン封鎖剤組成物にとって必須の組成物でないとされるグリコール酸ナトリウムを含んだまま、これに水酸化ナトリウムを加えるのは、引用例1にグリコール酸ナトリウムを生成する反応式(2)の反応が起こらないようにする必要があると記載されているのであるから、阻害要因があるといわざるを得ず、その阻害要因が解消されない限り、そもそも引用発明1に引用発明2を組み合わせる動機付けもないというべきであって、その組合せが当業者にとって容易想到であったということはできない」と述べている。 |