知財高裁(平成22年2月24日)“加工工具事件”は、「Lについては、本件発明の開発過程において、その技術的思想の創作行為に現実に関与したことを裏付ける証拠がなく、発明者であると認めることができない」、「Bは、平成15年初めころ、Aに対し、本件発明に関し、ユニバーサルジョイントの二段階接続を使うことをアドバイスしたことがあると認められるが、そうであるとしても、本件発明の前提たる・・・・周知技術についてアドバイスしたにすぎず、本件発明の特徴的な部分についてアドバイスしたとは認められない。また、それを超えてBが本件発明に関与したことを認めるに足りる証拠はない」、「したがって、Bを本件発明の発明者であると認めることはできない」、「Gは、平成15年初めころ、Aに対し、本件発明に関し、第一次試作品における加工の問題点について指摘したことがあると認められるものの、それのみでは、Gが本件発明の発明者であると認めることはできない。甲20(Gの平成20年7月28日付け陳述書)には、Gは、Aに対し、本件発明に関し、等速ジョイント、ユニバーサルジョイント、スプリングジョイントについてアドバイスしたことがある旨の記載があり、甲19(Bの平成20年7月28日付け陳述書)にも同旨の記載があるが、証人Bは、Gが上記アドバイスをしたことを否定する趣旨の証言をしている・・・・から、上記の各陳述書の記載は直ちに採用することができないし、仮にGがAに対し、本件発明に関し、等速ジョイント等についてアドバイスしたことがあったとしても、・・・・これらの点は本件発明の特徴的な部分であるとは認められないから、Gを本件発明の発明者であると認めることはできない」、「本件発明は、Aにおいて、平成15年1月ころに開発担当者となり、前任者からその開発を引き継いだものの、構想を練り直し、試行錯誤を繰り返して、平成15年8月23日に本件発明を完成させたのであるから、Aは、本件発明における技術的思想の創作行為に現実に関与したものと認めることができる」、「以上によれば、本件発明の発明者は、A1名であり、B、G及びLは発明者ではないものと認められる」と述べている。 |