知財高裁(平成22年3月29日)“粉粒体の混合事件”は、「甲3公報及び甲2公報のいずれにおいても、本件訂正発明2における・・・・課題について開示・示唆するところがないから、・・・・両者を組み合わせる必然性はないといわざるを得ず、甲3発明のレベル計を、受部から更に上部に位置する混合ホッパーへと変更することについて動機付けがあるということはできない」、「これに対し原告は、甲3発明と甲2装置発明の技術分野の同一性、技術内容の密接性、甲3発明と甲2装置発明が後者は前者を従来技術とするものであり、両者の目的も機能も同じであるから、甲3発明のレベル計の位置を甲2装置発明のレベル計の位置に置換することに困難性がないと主張する。しかし、たとえ技術分野や技術内容に同一性や密接な関連性や目的・機能の類似性があったとしても、そこで組み合せることが可能な技術は無数にあり得るのであって、それらの組合せのすべてが容易想到といえるものでないことはいうまでもない。その意味で、上記のような一定の関連性等がある技術の組合せが当業者(その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者)において容易想到というためには、これらを結び付ける事情、例えば共通の課題の存在やこれに基づく動機付けが必要なのであって、本件においてこれが存しないことは前記・・・・のとおりである。したがって、原告の上記主張は採用することができない」と述べている。 |