東京地裁(平成2年64日)“液体供給システム事件被告らは、特許製品としての原告製プリンタ及び同梱インクタンクが、特許権者である原告により、我が国においていずれもユーザーに譲渡された時点で、本件特許権2は消尽し、原告は、当該特許製品であるプリンタ及びインクタンクについて特許権を行使することはできないと主張する。しかしながら、インク供給システムの発明において、インクタンクは、プリンタ装置本体と同等に重要な構成要素(主要な部品)であるといえ、その主要な部品を新たなものに交換する行為は、修理等の域を超えて、実施対象を新たに生産するものと考えられるから、被告製インクタンクを原告製プリンタに装着する行為は、インク供給システムの新たな生産とみなすことができ、本件特許権2は消尽していないと解するのが相当である」と述べている。

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