知財高裁(平成22年8月19日)“半導体レーザ装置事件”は、「被控訴人及びSCEが、PS等の製造・販売のためにソフトウェア戦略に重点を置き、魅力的なソフトウェアを取りそろえ、宣伝広告にも力を注ぎ、3次元CGなど高画質なものを導入してきたほか、それまでに被控訴人において多くの先行技術・・・・を蓄積しており、これらの先行技術が、その内容からみて本件各発明の重要な前提となっているものと解されることや、被控訴人が莫大な費用を投じてきたことといった諸事情を考慮すれば、被控訴人の貢献度は97%とみるべきである。この点につき、控訴人は、自らは被控訴人に対して対価を請求しているものであり、SCEによる貢献は、本訴には関係がないと主張する。しかし、控訴人は、あくまでPS等に搭載された本件光学ピックアップの売上げを問題としているところ、PS等の売上げ増加には色々な要因があるが、中でもSCEによる宣伝広告やソフトウェア重視の戦略に基づく各種活動が、PS等の売上げに大きく貢献したことは否定できず、控訴人の上記主張は理由がない。また、確かにSCEは被控訴人とは別会社であるものの、SCEは被控訴人とそのグループ会社であるソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)が共同出資して設立した会社であって、平成16年4月には、被控訴人の完全子会社となったものであり、少なくとも控訴人との関係でみれば、SCEは被控訴人と一体というべきである」と述べている。 |