知財高裁(平成3年2月6日)“ウインドパークの運転方法事件被告は、引用発明、引用例2に記載された周知技術及び引用例3に記載された慣用手段は、電力網に電力を供給する技術であるという点で共通しており、さらに、一般的に電力網の電圧の変動防止は当然に要求される課題であるから、この課題を解決するために、引用発明に上記周知技術及び上記慣用手段を適用する動機付けがあると主張する。しかし、引用発明と引用例2及び3に記載された技術とは、電力網に電力を供給する技術であるという点で共通するとしても、そのような共通点があることのみを理由として、解決課題の異なる引用発明と引用例2及び3に記載された技術とを組み合わせて、本願発明における相違点2に係る構成に至ることが容易であるとはいえない。また、電力網の電圧の変動防止が、電力網に電力を供給する上での当然に要求される課題であったとしても、引用発明は、常に送電網の最大許容送電量を出力できるようにするとの解決課題を設定して、その解決手段を図ったものであるのに対し、引用例2及び3に記載された技術は、電力網の電圧の変動防止を解決課題として設定し、その解決手段を図ったものであるから、引用発明と引用例2及び3に記載された技術とは、解決課題において異なり、両者を組み合わせる動機付けは存在しない。この点の被告の主張は、採用できない」と述べている。

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