大阪地裁(平成4年1月8日)“パソコン等の器具の盗難防止用連結具事件本件各特許発明の『スライド可能に係合』ないし『分離不能に保持』という記載は、機能的、抽象的なものであるから、当該機能ないし作用効果を果たしうる構成であれば、全てその技術的範囲に含まれるとすると、明細書に開示されていない技術思想(課題解決原理)に属する構成までもが、本件各特許発明の技術的範囲に含まれることになりかねない。したがって、上記のような、いわゆる機能的クレームについては特許請求の範囲発明の詳細な説明の記載に開示された具体的な構成に示されている技術思想(課題解決原理)に基づいて、技術的範囲を確定すべきものと解される。また、明細書に開示された内容から、当業者が容易に実施しうる構成であれば、その技術的範囲に属するものといえるが、実施することができないものであれば、技術思想(課題解決原理)を異にするものして、その技術的範囲には属さないものというべきである」と述べている。

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