大阪地裁(平成24年11月8日)“パソコン等の器具の盗難防止用連結具事件”は、「本件各特許発明の『スライド可能に係合』ないし『分離不能に保持』という記載は、機能的、抽象的なものであるから、当該機能ないし作用効果を果たしうる構成であれば、全てその技術的範囲に含まれるとすると、明細書に開示されていない技術思想(課題解決原理)に属する構成までもが、本件各特許発明の技術的範囲に含まれることになりかねない。したがって、上記のような、いわゆる機能的クレームについては、【特許請求の範囲】や【発明の詳細な説明】の記載に開示された具体的な構成に示されている技術思想(課題解決原理)に基づいて、技術的範囲を確定すべきものと解される。また、明細書に開示された内容から、当業者が容易に実施しうる構成であれば、その技術的範囲に属するものといえるが、実施することができないものであれば、技術思想(課題解決原理)を異にするものして、その技術的範囲には属さないものというべきである」と述べている。 |