知財高裁(平成4年2月5日)“省エネ行動シート事件特許法2条1項は、発明について『自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの』をいうと規定するところ、人は、自由に行動し、自己決定することができる存在である以上、人の特定の精神活動、意思決定、行動態様等に有益かつ有用な効果が認められる場合があったとしても、人の特定の精神活動、意思決定や行動態様等自体は、直ちには自然法則の利用とはいえない。したがって、ある課題解決を目的とした技術的思想の創作が、いかに、具体的であり有益かつ有用なものであったとしても、その課題解決に当たって、専ら、人間の精神的活動を介在させた原理や法則、社会科学上の原理や法則、人為的な取り決めや、数学上の公式等を利用したものであり、自然法則を利用した部分が全く含まれない場合には、そのような技術的思想の創作は、同項所定の『発明』には該当しない」と述べている。

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